こんにちは。日々、スマホやパソコンを使う時間が増える中、「首が重い」「肩が凝る」と感じる方が多くいらっしゃいます。特に最近話題の「スマホ首(テキストネック)」は、若い世代でも深刻な問題です。今回は、鍼灸施術によってその不調が改善した20代女性Aさんのケースをご紹介します。
患者背景
相談に来られたのは、都内在住の20代女性・Aさん。デスクワークに加え、スマホ操作が日常的な生活を送っており、慢性的な首のコリや重だるさに悩まれていました。特に午後になると首から肩にかけての疲労感が強くなり、集中力が低下することも問題になっていたそうです。
ご自身では「最近よく聞くスマホ首(ストレートネック)かもしれない」と自覚されていました。
首の角度と首にかかる重さについて
首は本来、緩やかな湾曲(前弯)を保つことで頭の重さを分散しています。しかし、スマホを長時間操作する際に頭が前に突き出ることで、首に大きな負担がかかります。
首の角度 | 首にかかる重さ |
---|---|
0度(まっすぐ) | 約5〜6kg |
15度前傾 | 約12kg |
30度前傾 | 約18kg |
45度前傾 | 約22kg |
60度前傾 | 約27kg |
スマホを見ているとき、多くの人は30〜45度ほど傾けています。この姿勢が続くと筋肉が硬直し、血流が悪化してコリや痛みの原因になるのです。

鍼灸施術の内容
1回目の施術では、肩甲骨周りや首の筋緊張を解消するため、特に後頭下筋群(首の付け根部分)や肩井(けんせい)、風池(ふうち)などに鍼をしました。また、自律神経の調整を図るため、足や手の経穴にもアプローチしました。
その後も週1回ペースで合計4回の施術を行い、施術ごとに次の変化が見られました。
経過と効果
1回目:首の可動域が改善し、施術後は軽さを実感
2回目:午後になると感じていた重だるさが軽減
3回目:首から肩にかけてのコリが大幅に緩和
4回目:「首のコリをほとんど感じなくなった」とのこと
考察
今回のケースでは、スマホ首が原因の首こりに対し、鍼灸が非常に効果的でした。鍼刺激による筋肉の緩和、血流促進、自律神経の調整が回復を早めたと考えられます。また、Aさんには以下のような生活習慣改善もアドバイスしました。
- 目線はできるだけ高く、スマホは顔の高さに持ち上げる
- 肘を支えてスマホ操作をすることで、首への負担を軽減
- 1時間に1回はストレッチや立ち上がりを意識する
まとめ
首の角度による負担は大きく、現代人にとって「スマホ首」は避けられない課題かもしれません。しかし、適切な施術と生活習慣の見直しで改善は十分に可能です。
首や肩の不調にお悩みの方は、ぜひ鍼灸という選択肢も検討してみてください。