
早期治療がカギの理由で未来の髪を守る
「最近抜け毛が増えた」「髪が薄くなってきた気がする」と不安を感じていませんか?
本記事では、医学的な視点から正常な抜け毛と異常な抜け毛の見分け方、さらに**「抜け毛」と「薄毛」の違いと原因**、そして早期治療がなぜ重要なのかを解説します。
薄毛は多くの場合「進行性」のため、早期に対処することで改善効果が高まることがわかっています。
自分の髪の状態を理解し、未来の髪を守るための第一歩を踏み出しましょう。
この記事を書いた人

鍼灸院Lapis Three代表 秋山貴志
あなたの抜け毛は大丈夫?正常な抜け毛と異常な抜け毛の見分け方
1.1 抜け毛の本数とヘアサイクル
私たちの髪はヘアサイクル(毛周期)を繰り返しながら成長しています。
健康な人でも1日あたり50~100本程度の抜け毛が見られることが多く、これは自然な範囲とされています(日本皮膚科学会AGA診療ガイドライン)。
ただしこれは目安であり、個人差や季節変動があります。特に秋や産後は一時的に200本以上抜けることもありますが、多くは自然に回復します。
ヘアサイクルの流れ
- 成長期(約85~90%):2~6年。髪が太く長く成長する。
- 退行期(約1%):2~3週間。毛根が縮小する移行期。
- 休止期(約10~15%):3~4か月。髪が抜け、新しい毛に生え変わる準備段階。
このサイクルが乱れると、成長期が短縮されて細い毛が増え、薄毛へとつながります。
1.2 異常な抜け毛のサイン
以下のような変化が数週間以上続く場合、注意が必要です。
- 抜け毛が1日100本を大きく超え、持続している
- 細く短い毛ばかり抜ける
- 毛根が小さい、または白い膨らみがない
- 髪全体が細くなりボリュームが減る
- 頭皮に赤み・かゆみ・フケ・炎症がある
これらはヘアサイクル異常や脱毛症のサインであり、皮膚科や専門クリニックでの相談が推奨されます。
2. 「抜け毛」と「薄毛」の違いとは?
2.1 抜け毛は自然現象、薄毛は進行性の疾患
- 抜け毛:寿命を迎えた髪が自然に抜ける現象(正常)。
- 薄毛:髪の本数や太さが減少し、ボリュームが失われる進行性の状態。
抜け毛が多くても必ず薄毛とは限りませんが、細い・短い毛が目立つ場合は薄毛の進行サインの可能性があります。
2.2 主な脱毛症と原因
- 男性型脱毛症(AGA):DHT(ジヒドロテストステロン)が原因。進行性であり治療が必要。
- 女性型脱毛症(FAGA):更年期以降に多く、頭頂部からびまん性に薄くなる。
- 休止期脱毛症:出産・高熱・手術・薬剤・強いストレス後に一時的に脱毛。
- 円形脱毛症:自己免疫異常で毛根を攻撃。
- 牽引性脱毛症:ポニーテールなどで毛根が傷む。
- 脂漏性脱毛症:皮脂の過剰分泌による炎症。
自己判断では区別が難しく、専門医の診断が必須です。
3. 早期治療がカギの理由
3.1 なぜ早期治療が有効か
- 毛包は初期段階ならまだ生きており、治療で回復可能
- フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルなどは「毛包が生きているうち」に効果を発揮
- 精神的な不安を軽減できる
3.2 放置するとどうなるか
- 毛包が萎縮・死滅 → 二度と髪が生えない
- 治療の選択肢が減少 → 内服薬が効かず植毛しか残らない場合も
- 治療費・期間が増大
- 精神的ストレスや抑うつ
4. 今すぐできる対策と治療法
4.1 自宅でのケア
- アミノ酸系シャンプーで優しく洗髪
- 栄養バランス(タンパク質・亜鉛・ビタミンB群)
- 規則正しい睡眠
- 禁煙・節酒
- ストレスマネジメント
4.2 医学的治療(日本皮膚科学会ガイドライン 2017年版)
- 内服薬:フィナステリド、デュタステリド(男性に推奨度A)
- 外用薬:ミノキシジル(男女に推奨度A)
- 注入療法・PRP:補助的、まだエビデンスは限定的
- 自毛植毛:進行例で有効
- 低出力レーザー:補助療法、効果は限定的
4.3 鍼灸治療
血流改善や自律神経調整が期待され、一部研究で効果報告あり。
薬剤治療の代替・補助的選択肢になることもありますが、大規模なエビデンスは不足しています。
5. まとめ
- 抜け毛は誰にでもある自然現象だが、細い毛や異常な頭皮変化が続く場合は薄毛の兆候
- 薄毛は進行性であり、早期発見・早期治療が鍵
- 日本皮膚科学会ガイドラインではフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルが推奨
- 自宅ケアも大切だが、専門医への相談が最短ルート
- 鍼灸など補助療法の併用で、生活習慣改善や精神面のサポートにもつながる
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医師による診断・治療の代替ではありません。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。

 
			