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コロナワクチン後遺症に対する鍼灸治療 ~40代男性の症例~

目次

なぜコロナワクチン後に不調が起きるのか

新型コロナウイルス感染症やワクチン接種後には、倦怠感や頭痛、関節痛、発疹、神経症状など、いわゆる「後遺症」と呼ばれる不調が長引くケースがあります。
これは、免疫システムの過剰反応や自律神経の乱れ、炎症反応の持続などが関係していると考えられています。特に自律神経が乱れると、体は「休んでも疲れが抜けない」「動いていないのに体が重い」といった慢性的な不調を感じやすくなります。

鍼灸は、自律神経や免疫系にアプローチできる治療法として注目されています。経絡を通じて全身のバランスを整え、血流や代謝を改善することで、こうした後遺症の回復をサポートする可能性があります。


症例報告:40代男性

主訴とゴール

  • 主訴:肩・腰・背中の重さ、全身の倦怠感
  • ゴール:仕事復帰

初診時の状態(3月)

  • 日曜の夜までは体調が安定しているが、平日は肩腰背中が重く感じる(治療は木曜日)
  • 「動いていないのに体が重い」という感覚が抜けない
  • 客観的には、右僧帽筋・肩甲挙筋に強い緊張
  • 評価:コロナワクチン後遺症による自律神経・筋緊張の影響と判断

治療方針

  • 夾脊穴、頭皮鍼による通電、耳鍼
  • 全身調整として足三里、太渓、太衝、三陰交などを使用
  • 首肩の硬結部位には置鍼+パイオネックス
  • 状況に応じてラジオ波や透熱灸も併用

治療経過

  • 3月(開始期)
    首肩・背中の通電と全身の調整を行うことでリラックス感が出始める。週1回のペースで継続。3/27には「久々にたくさん笑えた」との感想。精神的な変化もみられる。
  • 4月~5月(安定期)
    自律神経を整える方針で施術を続ける。肩周囲の硬結部位に単刺を追加。5/15には施術後に「背中で握手ができた」と可動域の改善も実感。
  • 6月(季節変化による一時悪化)
    気候の影響か「調子が戻ってきてしまった」との訴えあり。灸や置鍼を継続し、セルフケア用に置き鍼も渡す。
  • 7月~9月(維持期)
    大きな悪化はなく、定期的な施術を続けることで症状のコントロールが可能に。9月には眼精疲労に関わる「攅竹」を追加し、さらなる全身調整を図る。

考察

今回の症例では、コロナワクチン後遺症による慢性的な倦怠感と筋緊張が主な訴えでした。
施術のポイントは、

  1. 自律神経の調整(耳鍼・頭皮鍼・透熱灸)
  2. 全身の気血循環の改善(足三里、太渓、三陰交など)
  3. 局所の筋緊張緩和(夾脊穴・肩甲骨周囲への通電や単刺)

継続的な鍼灸治療により、「体が重い」という感覚の軽減、精神的リラックス、関節可動域の改善がみられました。


まとめ

コロナワクチン後遺症は西洋医学的にも原因や治療法が明確でない部分が多く、慢性的な不調に悩む方が少なくありません。今回の症例では、鍼灸治療を継続することで、**「笑えるようになった」「動きが軽くなった」**といった前向きな変化が得られました。

同じように「休んでも疲れが取れない」「体が重い」と感じている方にとって、鍼灸はひとつの回復のサポートになり得ると考えます。


ご相談ください

もしワクチン後や感染後の不調でお悩みでしたら、お一人で抱え込まずにご相談ください。
症状や体質に合わせた施術で、少しずつでも「本来の自分の体」を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

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