「視力検査で問題ないと言われたのに、なぜ目がこんなに疲れるのだろう?」と思ったことはありませんか?現代社会では、スマートフォンやパソコンの長時間使用が当たり前になり、目の疲れや不調を訴える方が増えています。しかし、視力検査で異常がない場合、原因がわからず放置されてしまうことが多いのが現状です。
その原因の一つとして、意外に知られていないのが「両眼視機能の不具合」です。視力が良いかどうかだけでは、目の健康を完全に評価することはできません。視力検査は主に「遠くがどれだけはっきり見えるか」を測定するものですが、目の機能はそれだけではありません。実際には、両目が正確に協調して働く能力、つまり「両眼視機能」が重要な役割を果たしています。
もし、この両眼視機能に問題があると、以下のような症状が現れる可能性があります:
- 本やパソコンを長時間見ると目が異常に疲れる
- 首や肩が凝りやすい
- 集中力が低下し、作業効率が悪くなる
これらの症状があっても、一般的な視力検査では原因が見つからず、「年のせい」「仕事の疲れ」と片付けられることが少なくありません。今回は、両眼視機能の重要性と、隠れた問題である斜位(しゃい)の存在、さらにその改善方法について詳しくお伝えします。
この記事を書いた人

鍼灸院Lapis Three代表 秋山貴志
視力だけでは測れない「目の健康」

多くの人が「視力が良い=目が健康」と考えがちですが、目の健康はそれだけでは語れません。視力検査は、遠くの物をどれだけ鮮明に見えるかを測定するものです。しかし、以下のような要素も目の健康にとって重要です:
- 両眼視機能:両目が正確に協調して物を見る機能。
- 目の筋肉バランス:焦点を合わせるために必要な筋肉の働き。
- 視覚情報処理能力:目で捉えた情報を脳で処理する能力。
これらの中でも、両眼視機能が正常に働いていないと、視力が良くても目の疲れや姿勢の悪化、さらには学習や仕事のパフォーマンス低下につながることがあります。
両眼視機能とは?利き目と斜位の関係

両眼視機能とは、両目が協調して物を正確に見るための機能を指します。人間には右利き・左利きがあるように「利き目」があり、日常生活では無意識のうちに利き目が主導して視覚情報を処理しています。このため、少しの斜位(視線のズレ)があっても問題にならないことが多いのです。
しかし、以下のようなきっかけで両眼視機能が乱れることがあります:
長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用
集中する時間が長くなると、目の筋肉に過剰な負担がかかり、斜位の影響が出やすくなります。
レーシックやICL、白内障手術などの目の手術
手術によって角膜の形状や焦点の位置が変化し、両目のバランスが崩れることがあります。
加齢による目の調整力の低下
老眼の進行により、これまで無意識に補正されていた視覚のズレが表面化することがあります。
特にここ最近は近視手術や白内障手術を受ける方が増えてきており、術後に目のトラブルで悩まされている方が増えています。実は斜位がげん
斜位が引き起こす不具合

両眼視機能に問題がある代表例として「斜位」があります。斜位とは、両目の視線がわずかにずれている状態で、焦点を合わせる際に目の筋肉に余計な負担をかけることになります。斜位があると以下のような影響が出ます:
- 慢性的な眼精疲労:特にパソコン作業や読書で疲れが増す。
- 学習障害や読書の困難:子どもから大人まで幅広く影響。
- 肩こりや頭痛:目の疲労が首や肩の緊張を引き起こす。
斜位は斜視(しゃし:片目が明らかにずれている状態)と異なり、見た目ではわかりにくいため、専門の検査が必要です。
両眼視機能検査の重要性

視力検査では斜位や両眼視機能の不具合を見つけることはできません。そのため、多くの人が気づかずに生活しているのが現状です。眼科や一般的なメガネ店では視力検査が主流ですが、両眼視機能を詳しく調べる検査を提供している場所は限られています。
両眼視機能検査では以下がチェックされます:
- 両目の協調具合
- 目の筋肉の負担やバランス
- 焦点を合わせる際の目の動き
この検査を受けることで、視力だけではわからない目の問題を把握し、より適切な対応が可能になります。
プリズムレンズによる改善

斜位による眼精疲労や不具合を軽減する方法の一つが、プリズムレンズです。この特殊なレンズは光の角度を調整し、両目の筋肉への負担を軽減します。
- 疲労感の軽減:目の重さや痛みが大幅に軽くなる。
- 学習や読書の効率向上:文字が読みやすくなることでパフォーマンスが向上。
- 姿勢の改善:視覚が安定することで自然な姿勢に戻る。
私自身の体験:視力が良くても目の疲れが取れなかった理由
私自身、斜位による眼精疲労に悩まされていました。きっかけはレーシックです。原因がわからず途方にくれていた時、ある眼鏡屋で専門の検査を受け斜位が原因であることが判明。そこからプリズムレンズ眼鏡を使い始めたところ、眼精疲労が劇的に改善していきました。
この体験から、視力検査で問題がないからといって安心せず、両眼視機能検査を受ける重要性を強く感じました。
視覚の悩みを抱える方へ
視力が良いと診断されても、目の疲れや集中力の低下を感じている方は、視力だけでは測れない両眼視機能に問題がある可能性があります。両眼視機能検査を受けることで、自分の目の状態をより正確に知り、適切な対応を取ることができます。是非一度両眼視機能検査を受けてみてください。
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