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デスクワーク過多による眼精疲労と慢性的な頭痛の改善例(40歳男性)

本日は、40代男性の患者様の症例をご紹介します。この患者様はデスクワークによる眼精疲労に加え、頭痛や睡眠障害に悩まれていました。以下、治療内容と経過をご報告いたします。

目次

主訴と原因

患者様の主訴は、「目の奥が痛む眼精疲労」、「頭痛」、そして「眼精疲労による睡眠障害」でした。長時間のデスクワークにより、肩こりや首のコリが慢性化し、特に後頭下筋群に顕著な硬さが見られました。また、三叉神経への負担も考えられる状態でした。

治療方針

治療では、後頭下筋群と三叉神経領域に重点を置き、鍼通電療法を用いることとしました。具体的には以下のツボを使用しました。

  • 肩井
  • 風池
  • 完骨
  • 攅竹
  • 太陽
  • 四白
  • 頭維

施術内容は以下の通りです。

  1. 風池―完骨間に鍼を刺入し、鍼通電を10分間実施。肩井は置鍼のみ。
  2. 攅竹―太陽、四白―頭維間にそれぞれ鍼を刺入し、20分間の鍼通電を実施。
  3. その他にも、三叉神経領域である頭に5本ほど置鍼。

経過

1回目の施術後、患者様は「目が開きやすくなった」、「目の周りが軽くなった」と感じられ、血流の改善を実感されました。また、施術後には頭痛の軽減も報告されました。1週間空けて2回目来院。

2回目の施術後は、目の奥の痛みだけでなく、首や肩のコリもさらに軽減したとのことでした。これにより、デスクワーク中の集中力が向上し、夜間の睡眠の質も改善しているとのフィードバックをいただきました。

※今後は症状が落ち着いてきたら施術頻度を落としつつ、セルフケアで対応できるようにしていく。

考察

この症例は、長時間のデスクワークによる眼精疲労が全身の不調に波及している典型的な例でした。後頭下筋群の硬さが三叉神経に影響を与え、眼精疲労や頭痛、さらには睡眠障害を引き起こしていたと考えられます。下の画像のように三叉神経の核は脊髄にもあります。首のコリや肩のコリで三叉神経に影響を与える可能性があります。頭痛の部位も三叉神経上に起こることが多く、当院にお越しいただいている方の多くは後頭部の頭痛が非常に多いです。

(引用:プロメテウス神経解剖 12.機能系)

鍼通電療法によるアプローチは、筋緊張を緩和し、局所の血流を改善することで、即効性のある効果をもたらしました。また、使用したツボの選定が、症状の原因に的確にアプローチできた要因と考えられます。

さらに鍼通電には内因性オピオイドの分泌を促す効果があります。そのことにより、睡眠も改善に向かい、眼精疲労による全身の不調で気持ちが落ちてくることの対処もできます。

今後も患者様の状態を観察しつつ、適切な施術を継続することで、さらなる改善を目指していきます。

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