医師兼当事者が語るリアルな現場
先日、鍼灸師・鍼灸学生向けに開催された「線維筋痛症セミナー」の運営として参加させていただきました。
会場には、臨床現場で活躍されている鍼灸師の先生方や学生さんが集まり、非常に熱量の高い学びの場となりました。
今回のセミナーは、単なる知識の共有だけではなく、
“患者さんの痛みをどう理解するか”
を深く考えさせられる内容でした。

■ 線維筋痛症とは?
線維筋痛症は、全身に慢性的な痛みを生じる疾患です。
特徴として、
- 検査では異常が見つかりにくい
- 痛みの場所が変化する
- 強い疲労感を伴う
- 睡眠障害や不安感を抱えることがある
などが挙げられます。
そのため、周囲から理解されにくく、
「気のせいでは?」
「本当にそんなに痛いの?」
と言われてしまう患者さんも少なくありません。
“見えない痛み”
だからこそ、医療者側の理解や寄り添い方が非常に重要になる疾患です。
■ 講師は“医師”であり“当事者”
今回講師を務められたのは、医師でありながら、ご自身も線維筋痛症を経験されている先生でした。
さらに、YouTubeなどでも積極的に発信されている先生で、患者さん目線と医療者目線の両方を持った非常に貴重なお話を聞くことができました。
特に印象的だったのは、
- 痛みが理解されない苦しさ
- 日常生活への影響
- 「普通に見える」ことによる誤解
について、実体験を交えて語られていたことです。
教科書だけでは分からない“リアルな現場”を知ることができ、参加者全員が真剣に耳を傾けていました。
■ 鍼灸とラジオ波で感じた変化
講師の先生は、ご自身の症状に対して、
- 鍼灸
- ラジオ波治療
を取り入れながら、症状改善を実感されているとのことでした。
線維筋痛症では、
- 筋緊張
- 自律神経の乱れ
- 睡眠の質低下
- 慢性的な感作
など、複数の要因が関与していると考えられています。
そのため、
「局所だけを見る」のではなく、
「全身状態や生活背景まで含めて評価する」
という視点の重要性についても学ぶことができました。
■ “痛みを可視化する”ペインカード
今回のセミナーで特に注目されていたのが、「ペインカード」です。
線維筋痛症の患者さんは、
- 痛みを言葉にしづらい
- 毎回説明することが負担
- 症状の表現が難しい
という悩みを抱えていることがあります。
そこで開発されたのが、イラストや感覚表現を使って“痛みを見える化”するペインカード。
「ズキズキ」
「ビリビリ」
「締め付けられる感じ」
「重だるい」
など、感覚を視覚的に共有できる工夫がされていました。
医療者側の評価だけではなく、
“患者さんが伝えやすい環境を作る”
という考え方が非常に印象的でした。

■ 実技ではラジオ波のデモも実施
セミナー後半では、実際の施術デモや実技も行われました。
ラジオ波機器を用いたアプローチでは、
- どこを評価するか
- どのように反応をみるか
- 患者さんの感覚をどう確認するか
など、臨床的なポイントを細かく解説してくださいました。
参加者同士でも積極的に質問や意見交換が行われ、非常に実践的な時間となっていました。

■ 運営として感じたこと
今回、運営として参加させていただき改めて感じたのは、
「痛み」は画像検査だけでは分からないことが多い
ということです。
だからこそ、
- 患者さんの言葉
- 表情
- 睡眠状態
- 疲労感
- 日常生活で困っていること
などを丁寧に拾っていく必要があります。
鍼灸は、患者さんとの距離が近い医療だからこそ、“見えにくい不調”に寄り添いやすい分野だと改めて感じました。
■ 最後に
今回のセミナーでは、
- 線維筋痛症への理解
- 鍼灸やラジオ波の可能性
- 患者さんとのコミュニケーション
- 痛みの可視化
など、多くの学びを得ることができました。
今後もこうした学びを大切にしながら、日々の臨床に活かしていきたいと思います。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

