こんにちは!鍼灸院ラピススリーです!
今回は、マラソンを日課にされている50代男性の膝関節痛の症例をご紹介します。

🔍患者背景
患者様は、趣味で日常的にランニングをされており、
大会に向けて現在は毎日5kmのトレーニングを継続中。
しかし、5km以上走ると両膝に痛みが出現し、継続的な負荷による違和感や不安を抱えて来院されました。
過去にラピススリーで鍼灸施術を受けた際には、施術後2週間ほど痛みが消失する体験があり、
今回は「大会本番に向けて痛みを出さずに走れる身体を作りたい」とのことで、コンディショニング目的も含めて定期的な治療を行っております。
評価
姿勢評価では、
・立位時に膝から下のアライメントが後方へズレている(膝過伸展気味)
・大腿二頭筋(太もも裏側)の過緊張
が見られ、
ランニング時に膝関節の過伸展をかばうような動作パターンが形成されていることが考えられました。
これにより、膝関節や周囲の筋・腱・靭帯に負担が蓄積し、一定距離を超えると痛みが再燃していると考えられます。

🪡治療方針
大会までの期間に向けて、以下の3点を柱に鍼灸施術を行っていきます。
1.膝の痛みの緩和
→大腿二頭筋、外側広筋、腓骨筋への鍼で筋緊張をリリースし、膝関節への負荷を軽減。
2.姿勢アライメントの調整
→膝から下の姿勢不良も、足だけでなく腰や骨盤が原因という事も多くあります。
過度に反っている腰を改善するため、体幹部へのアプローチも欠かせません。
3.再発予防のための体づくり
→施術の後、筋肉が緩み体を上手に使える状態で腸骨筋トレーニングのセルフケアをお伝えしました。
走っている時に大事なことは、股関節を使うこと。
膝から下の筋肉を多く使っているとどうしても膝関節で負担を吸収してしまいます。
そうならない為にも股関節でしっかりと足を持ち上げる事が大事。
🔍考察
今回の症例では、ランニングによる繰り返し動作とアライメントの乱れが膝関節にストレスを与えていたと考えられます。
特に注目すべきは、
膝の過伸展位(膝から下が後方にずれる立位) 大腿二頭筋の過緊張 この2点です。
膝が過伸展することで、本来関節全体で受け止めるべき荷重が、関節前面や周囲の靱帯・腱に集中してしまい、痛みが出やすくなります。
さらに、大腿二頭筋の緊張が強いと、骨盤の後傾やハムストリングス主導の歩行・ランニングパターンとなり、膝関節の伸展制御が不安定になりやすい状態が続きます。
今回の鍼灸治療では、
筋緊張の緩和による膝関節の負担軽減 全体の姿勢バランスを整えることで、ランニング動作そのものを変えていく下地づくり を目的としました。
患者様は過去にも鍼灸での改善経験があり、体の反応が出やすく、自分の身体の変化にも敏感なタイプです。
そのため、施術後の経過観察とともに、どのアプローチが有効だったかを患者様と共有しながら進めていくことが、今後の安定したコンディションづくりに繋がると考えられます。
📝まとめ
今回のケースのように、スポーツや趣味を継続したい方にとって、痛みの出ない身体づくりはとても大切です。
鍼灸は単に痛みを和らげるだけでなく、「再発を防ぎながら動ける身体をつくる」サポートが可能です。
今後も定期的にコンディションを整えながら、大会当日を万全の状態で迎えられるようサポートしていきます🏃♂️🔥