こんにちは!鍼灸院ラピススリーです。
今回は当院で行った30代男性の左首・肩の痛みに対する鍼灸施術をご紹介します。
患者背景
患者様は30代の男性で、3ヶ月前にサッカーの試合中に相手と衝突し、その後左首から肩にかけての痛みが取れなくなりました。特に、振り向くときに痛みを感じることが多く、整骨院に2度通院しましたが、じっとしている時の痛みは軽減したものの、動かすとまだ痛みが残っている状態です。
評価
頸部の動作をチェックしたところ、左を振り向くと痛みが再現されることが確認されました。
また、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)や板状筋(ばんじょうきん)の固さが見受けられました。痛みが再現される部位と一致しています。

施術内容
症状の背景には、胸鎖乳突筋と板状筋に固さが残っており、恐らく相手とぶつかった時衝撃を吸収した部位だと考えられます。
急性炎症期を過ぎても痛みが残っているのは、筋肉の固さがのこり周辺の神経を絞扼(こうやく)しているためと考えられます。
今回の治療では、以下のツボに鍼をしました。
1. 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の近くにあるツボ
・扶突(ふとつ)
・天容(てんよう)
2. 板状筋(ばんじょうきん)の近くにあるツボ
• 風池(ふうち)
3. 肩甲挙筋(けんこうきょきん)の近くにあるツボ
・肩井(けんせい)
・肩中兪(けんちゅうゆ)
を使用し、首・肩甲骨周辺の緊張をほぐすことで痛みの改善を図りました。

治療後
鍼灸施術後、患者様からは「振り向いたときの痛みが軽減した」「肩周りが軽く感じる」との感想をいただきました。
3ヶ月続いた痛みがその場で解消して喜んでいただけました。
考察
今回の症状は相手との衝突による外傷のような痛みがきっかけでしたが、急性炎症期(通常3日程度)を過ぎても痛みが取りきれない場合は、筋肉や筋膜が癒着しているケースがあります。
ぶつけた直後は痛くて首周りを動かせず、その間に筋肉・筋膜が癒着した可能性が考えられます。
鍼治療では、直接筋肉、筋膜を刺激できるので癒着ポイントをリリースできます。神経の絞扼も解消され症状が改善されたと考えられます。