こんにちは。今回は「耳鳴りに悩む30代女性」に対する鍼灸施術の経過をご紹介します。
患者背景
患者さんは30代女性、デスクワーク中心の仕事をされています。3年前から断続的に右耳に「ジーッ」という耳鳴りが発生。特に仕事中や就寝前に症状が強まり、集中力低下や不眠に悩まされていました。耳鼻科での検査結果は異常なし。薬物治療も効果が見られず、「もう治らない」と半ば諦めて来院されました。
施術方法
症状の背景には「首肩の緊張」や「自律神経の乱れ」が大きく関与していると判断しました。そのため、以下の施術を行いました。
- 使用した経穴(ツボ)一部
- 天柱(てんちゅう):首肩の緊張緩和
- 翳風(えいふう):耳周辺の血流促進
- 太衝(たいしょう):自律神経のバランス調整
施術頻度
1週間ごとに3回
経過
初回施術後
施術直後から首の軽さを実感。「耳鳴りはまだあるものの、音が少し遠くなった感じがする」とのこと。
2回目施術後
耳鳴りの発生頻度が半減。特に日中はほとんど気にならなくなりました。睡眠の質も向上し、疲労感が軽減。
3回目施術後
耳鳴りの音量がさらに低下。「夜に気になることはあるけれど、以前のように辛くない」と笑顔でお話しいただきました。
その後は2週に1回に頻度を減らし、症状が改善してきたので1か月に1回程度のメンテナンスを行っています
考察
耳鳴りはストレスや姿勢不良、自律神経の乱れが原因となることが多いです。今回のケースでは、長時間のデスクワークによる首肩の緊張が大きな要因でした。鍼灸によって筋肉の緊張をほぐし、血流を促進したことで症状の緩和につながったと考えられます。また、自律神経の調整も睡眠改善に寄与しました。
ストレスが強くなると交感神経が優位になります。交感神経は「戦うか逃げるか(fight or flight)」の反応に関与し、血圧の上昇や筋緊張を引き起こします。
内耳(蝸牛)は非常に繊細な組織で、十分な血流が必要です。しかし、ストレスにより血管が収縮すると、内耳への血流が低下し、音信号の処理がうまく行えなくなることがあります。

(引用:オアシス鍼灸治療院)
まとめ
耳鳴りは「治らない」と思いがちな症状ですが、鍼灸によって改善するケースも多々あります。もし同じような悩みを抱えている方がいれば、ぜひ一度鍼灸を試してみてはいかがでしょうか?
次回も症例報告をお楽しみに!