【症例紹介】線維筋痛症と慢性疲労症候群に悩む女性への鍼灸ケア

2025年7月10日

こんにちは。鍼灸院Lapis Threeです。
今回は、**線維筋痛症と慢性疲労症候群（CFS）**に悩む女性の症例をご紹介します。

「朝起きるのがつらい…」「ずっと疲れが取れない…」
そんな状態が何年も続いている方も少なくありません。
西洋医学ではなかなか改善が難しいこのような状態に、鍼灸とラジオ波がどのようにアプローチできるかをお伝えします。

◆患者さまのプロフィール

年齢：47歳
性別：女性
お悩み：慢性的な疲労感・肩背中の重だるさ・睡眠の質の低下・手足の冷え・便秘など
診断名：線維筋痛症および慢性疲労症候群
状況：現在休職中。仕事への復帰を希望されている

30年前から続く体調不良が、ここ数年でさらに悪化。
精神科に通院中で、向精神薬・睡眠薬を服用されています。
また、家族からの過去のトラウマによる心因性ストレスも背景にあり、
ご自身でも「ストレスが原因かも…」とお話されていました。

◆初回の状態と治療

「起き上がるのもつらい」「薬では良くならない」
そんな言葉から始まった初診。

体はとても冷えており、特に肩背部には鍼が入りづらいほど筋肉の緊張が強い状態。
これは、交感神経（ストレス神経）が常に緊張しているサインです。

▶ 初回の治療では

肩まわりへの鍼施術
緊張の強い部分にはラジオ波を併用
深部に働きかけるための自律神経調整のツボを選択

「初めての鍼だったけど、痛くない。肩が軽くなった」とのことで、
以後は2週に1回のペースで通院いただいています。

◆経過と変化

●2回目

「施術の翌日はだるかったけど、そのあと楽になった」との声。
自律神経の乱れが強い方には、初期反応として“だるさ”が出ることがあります。
これは、体が強い緊張から脱け出そうとする過程でよく見られます。

▶ この回では、

首肩に鍼
合谷や失眠へお灸
足三里や三陰交などへ鍼
頭部への微弱な通電
を行い、全体のバランスを整えました。

●3回目

この回では下肢の筋膜リリースを中心に施術。
ラジオ波と徒手でふくらはぎから膝下のねじれを丁寧に解除すると、
「別人みたいな足！」と喜んでいただけました。
全身の疲労感もこの回から軽くなり、日常生活の過ごしやすさが出てきたようです。

●4回目

「しんどさは1日で戻るけど、昔よりはマシになってきた」
「階段も登れるようになった」と前向きな変化が出てきました。
この回も、ラジオ波＋鍼を併用し、首肩や下肢の状態を整えました。

●5回目

「初回の下肢リリースの次の日はクラッシュしたけど、そのあとはとても楽だった」
体の反応が出やすい方は、改善に向かう過程で一時的に強く反応が出ることがあります。
この日は、肩関節の内旋が強かったため、

上腕二頭筋や前腕のねじれに対してラジオ波と徒手リリース
頭と耳への自律神経調整の鍼
を行いました。

◆現在の状況と今後の見通し

現在は月に1回のペースで通院中。
朝の倦怠感や体の重さはまだありますが、
「日によっては調子がよく、生活しやすい日が増えてきた」とのこと。

私たちとしても、交感神経の過緊張を緩める施術を軸に、

下肢〜体幹の筋膜のねじれを整える
自律神経を整える頭部・耳の鍼
ラジオ波による深部温熱と血流改善
を組み合わせて、さらに安定した状態を目指していきます。

◆この症例からわかること

線維筋痛症や慢性疲労症候群のように、
原因が複雑に絡み合っている不調でも、
体の状態を丁寧に読み取りながら施術していくことで、
少しずつ変化を引き出すことができます。

特に、

眠れない
疲れが取れない
やる気が出ない
冷えが強い
といったお悩みは、交感神経が常に「戦闘モード」になっているサインです。

そんなときこそ、鍼灸やラジオ波で自律神経にアプローチすることで、
薬に頼りすぎず、自分の体の力で回復を促すサポートができます。

◆患者さまの声（※ご本人の了承を得て掲載しています）

「最初は半信半疑でした。でも…”別人みたいに軽い”ってこういうことか！と感じました」

鍼灸もラジオ波も初めてだったので、不安がないわけではありませんでした。
でも、施術後すぐに肩がスッと軽くなった感覚があり、びっくりしました。

特に足の施術の後は、長年むくんでいたふくらはぎがシュッとして、
鏡を見たときに「え、これ私の足!?」と本気で思いました（笑）

初回のあと、翌日にどっと疲れが出てしまい「合わなかったかな…」と心配しましたが、
その後は体がとても楽になって、今では「早く次に行きたい」と思うくらいです。

長年悩んでいた疲労感や朝のだるさが、少しずつマシになっていて、
仕事に復帰することも現実味を帯びてきました。

自分のペースで、でも確実に変わっていけている実感があります。