こんにちは。今回は、突発性難聴に悩む20代女性のケースをご紹介します。ある日突然、片耳が聞こえにくくなり、耳鼻科を受診したところ「突発性難聴」と診断された彼女。処方された薬を服用しながらも、「このまま耳が聞こえなくなったらどうしよう…」という不安を抱えていました。
そんな中で、少しでも改善につながる方法はないかと模索し、鍼灸を試すことに。3回の施術を通じてどのような変化があったのか、詳しくお伝えしていきます。
患者背景と症状
患者さんは20代女性。もともと仕事のストレスが多く、睡眠不足が続くことがありました。ある朝、目覚めると右耳がこもったような感覚があり、聞こえにくさを感じたため、すぐに耳鼻科を受診。突発性難聴と診断され、ステロイド薬や血流改善薬を処方されました。
しかし、「薬だけで本当に治るのだろうか?」「今後、耳が聞こえなくなるのでは…」という不安が強く、治療の選択肢を広げるために鍼灸を試すことを決意しました。
施術内容
施術は2週間に1回のペースで3回実施。全身の状態を整えることを重視し、以下のポイントを中心にアプローチしました。
✅ 耳周囲の血流促進:翳風(えいふう)、聴宮(ちょうきゅう)、風池(ふうち)などのツボに鍼を施し、血流を改善。
✅ 自律神経の調整:神門(しんもん)、百会(ひゃくえ)などを用い、ストレスによる交感神経の過緊張を和らげる。
✅ 首・肩の緊張緩和:耳への血流を妨げる首・肩こりを解消するため、天柱(てんちゅう)や肩井(けんせい)にもアプローチ。
経過と結果
【1回目】施術直後
施術後すぐに「耳がスッキリした感じがする」とのこと。ただし、聴力自体に大きな変化はなし。リラックス感が強く、不安感が少し和らいだ様子。
【2回目】(2週間後)
「耳のこもった感じが軽減してきた」との報告。仕事中のストレスを感じにくくなり、睡眠の質も改善。まだ完全には戻っていないが、希望が持てるようになったとのこと。
【3回目】(4週間後)
「聞こえやすさが戻ってきた!」と喜びの声。日常生活での違和感がほぼなくなり、精神的な不安も軽減。耳鼻科での検査でも聴力が回復傾向にあることが確認されたため、鍼灸施術は3回で終了としました。
考察
突発性難聴は、発症後の早期治療が重要とされています。耳鼻科での適切な薬物療法と並行して、鍼灸によって血流改善・自律神経調整を行うことで、回復のサポートができたと考えられます。
また、患者さんは仕事のストレスが大きく、睡眠不足も重なっていました。ストレスが過剰になると交感神経が優位になり、耳の血流が悪化しやすくなります。鍼灸でリラックスできたことが、聴力の回復に良い影響を与えた可能性があります。
まとめ
今回のケースでは、耳鼻科での治療と並行して鍼灸を取り入れたことで、3回の施術で症状の改善が見られました。もちろん、すべてのケースで同じ結果が得られるわけではありませんが、鍼灸が一つの選択肢となる可能性を示した例といえるでしょう。
突発性難聴は早期対応が重要です。不安を抱えている方は、専門医に相談しながら、自分に合ったケア方法を見つけてくださいね。