「腰痛に悩んでいるけど、鍼灸と整体、どっちに行けばいいの?」と迷っていませんか?この記事では、腰痛の原因から、鍼灸・整体それぞれの効果と違い、さらにそれぞれのメリット・デメリット、施術の流れや費用相場まで徹底的に解説します。腰痛の種類によって向き不向きがあるため、鍼灸と整体どちらが自分の腰痛に効果的なのかを理解し、最適な施術を選ぶための判断材料を提供します。良い鍼灸院・整体院の選び方も紹介するので、この記事を読めば、きっとあなたにぴったりの施術方法が見つかるはずです。
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鍼灸院Lapis Three代表 秋山貴志
腰痛の原因とは?
腰痛は、国民病とも言われるほど多くの人が悩まされる症状です。その原因は実に多岐にわたり、特定が難しい場合も少なくありません。
大きく分けて、以下の3つのカテゴリーに分類できます。
特異的腰痛
全体の約15%を占める特異的腰痛は、原因が比較的はっきりと特定できる腰痛です。代表的なものには、以下のようなものがあります。
- 椎間板ヘルニア:背骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで激しい痛みやしびれを引き起こします。
- 脊柱管狭窄症:加齢などにより脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで痛みやしびれ、間欠性跛行といった症状が現れます。
- 腰椎分離症・すべり症:腰椎の一部が骨折したり、ずれたりすることで痛みを引き起こします。特に成長期のスポーツをしている子供に多く見られます。
- 圧迫骨折:骨粗鬆症などが原因で、骨が潰れてしまうことで起こる骨折です。軽微な衝撃でも骨折してしまうことがあります。
- 感染症:細菌感染などにより、腰椎に炎症が起こり痛みを生じます。
- 腫瘍:腰椎に腫瘍ができることで、痛みやしびれなどの症状が現れます。
これらの特異的腰痛は、医療機関での検査(レントゲン、MRI、CTなど)によって診断が可能です。公益社団法人日本整形外科学会などを参考に、気になる症状がある場合は医療機関への受診をおすすめします。
非特異的腰痛
腰痛の大部分を占める、約85%が非特異的腰痛です。これは、画像検査などでは原因を特定できない腰痛のことを指します。原因が特定できないからといって軽く見てはいけません。激しい痛みやしびれに悩まされる場合もあります。非特異的腰痛の原因として考えられるものには、以下のようなものがあります。
- 筋肉の緊張:長時間同じ姿勢での作業や、重いものを持ち上げるなど、筋肉に負担がかかることで筋肉が緊張し、痛みを引き起こします。
- 筋膜の炎症:筋肉を覆う筋膜に炎症が起こることで痛みを生じます。
- 関節の炎症:腰の関節に炎症が起こることで、痛みや動きの制限が生じます。
- 姿勢不良:猫背や反り腰など、姿勢が悪いと腰に負担がかかり、痛みを引き起こしやすくなります。
- 運動不足:運動不足により筋肉が衰えると、腰を支える力が弱くなり、痛みが出やすくなります。
- 肥満:過剰な体重は腰に負担をかけ、痛みを引き起こす原因となります。
- ストレス:ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高め、腰痛を引き起こす要因となります。
- 内臓疾患:まれに、内臓の病気が原因で腰痛が起こる場合もあります。腎臓結石や子宮筋腫などがその例です。
心因性腰痛
身体的な原因ではなく、心理的な要因によって引き起こされる腰痛を心因性腰痛と言います。うつ病や不安障害などの精神疾患が背景にある場合もあります。身体的な異常が見られないにも関わらず、強い痛みやしびれを訴えるケースもあります。
心因性腰痛の特徴
- 検査で異常が見つからない:レントゲンやMRIなどの検査を行っても、身体的な異常が見つからないことが多いです。
- 痛みの程度と日常生活の活動レベルが一致しない:強い痛みを訴えているにも関わらず、日常生活には支障がない場合もあります。
- 精神的なストレスとの関連:ストレスを感じている時や、精神的に不安定な時に痛みが強くなる傾向があります。
心因性腰痛の場合、公益社団法人 日本精神神経学会などを参考に、精神科や心療内科への受診が必要となるケースもあります。
腰痛に効果的な施術とは?
腰痛は、その原因や症状によって適切な施術が異なります。痛みの緩和だけでなく、根本原因へのアプローチや再発防止も考慮した施術選びが重要です。ここでは、腰痛に効果的な施術の代表的な例をいくつかご紹介します。
腰痛の種類と原因に合わせた施術の選び方
腰痛は大きく分けて、特異的腰痛と非特異的腰痛に分類されます。特異的腰痛は、原因が特定できる腰痛で、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、圧迫骨折などが挙げられます。一方、非特異的腰痛は、原因が特定できない腰痛で、全体の約85%を占めると言われています。非特異的腰痛は、筋肉の緊張や炎症、姿勢不良、精神的ストレスなどが原因となることが多いです。それぞれの腰痛の種類によって、適切な施術は異なります。
例えば、日本整形外科学会の情報によると、椎間板ヘルニアの場合は、保存療法として薬物療法、理学療法、神経ブロックなどが行われ、症状が改善しない場合は手術療法が検討されます。また、脊柱管狭窄症の場合は、薬物療法、理学療法、神経ブロックに加えて、コルセットの着用なども有効とされています。
代表的な施術方法
保存療法
保存療法は、手術を行わずに腰痛を改善する方法です。代表的なものには、以下のものがあります。
施術名 | 概要 | 効果 |
---|---|---|
薬物療法 | 痛みや炎症を抑える薬を服用します。 | 痛みや炎症を軽減し、日常生活を楽にします。 |
理学療法(物理療法) | 温熱療法、電気刺激療法、牽引療法など、物理的な刺激を用いて痛みを緩和し、機能回復を促します。牽引療法は腰痛に対する効果が報告されています。 | 痛みを緩和し、関節の可動域を広げ、筋力を強化します。 |
運動療法 | ストレッチや筋力トレーニングなど、運動によって腰痛を改善します。 | 腰周りの筋肉を強化し、姿勢を改善することで、腰痛を予防・改善します。具体的な運動プログラムについては日本理学療法士協会のウェブサイトなどを参考にしてください。 |
装具療法 | コルセットなどを装着して腰をサポートします。 | 腰への負担を軽減し、痛みを和らげます。 |
手術療法
保存療法で効果がない場合、手術療法が検討されます。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、原因が特定できる腰痛に対して行われます。
その他
上記以外にも、鍼灸、マッサージ、整体、カイロプラクティックなど、様々な施術があります。これらの施術は、筋肉の緊張を緩和したり、血行を促進したりすることで、腰痛を改善する効果が期待できます。ただし、これらの施術の効果には個人差があるため、自分に合った施術を選ぶことが大切です。
医療機関の受診
腰痛が長引く場合や、強い痛みがある場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。整形外科、ペインクリニック、神経内科などが腰痛の診療科となります。医師の診断のもと、適切な治療を受けることが重要です。
鍼灸とは?

鍼灸とは、東洋医学に基づいた伝統的な治療法の一つです。細い鍼を身体の特定のツボ(経穴)に刺入したり、艾(もぐさ)を燃焼させて温熱刺激を与えることで、身体の機能を調整し、様々な症状を改善することを目的としています。 鍼灸はWHO(世界保健機関)も認める治療法であり、腰痛をはじめ、肩こり、頭痛、神経痛、冷え性など、幅広い症状に効果があるとされています。 WHO Acupuncture: Review and Analysis of Reports on Controlled Clinical Trials
鍼灸の効果
鍼灸は、痛みを和らげる鎮痛作用、筋肉の緊張を緩和する作用、血行を促進する作用、自律神経のバランスを整える作用など、様々な効果が期待できます。腰痛に対しては、炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できるため、ぎっくり腰や慢性的な腰痛の改善に役立ちます。また、鍼灸は身体の自然治癒力を高める効果もあるため、根本的な改善を目指せる治療法と言えます。
鍼灸のメリット・デメリット
鍼灸のメリット
- 薬を使わないため、副作用が少ない
- 自然治癒力を高める
- 身体への負担が少ない
- 幅広い症状に効果がある
鍼灸のデメリット
- 鍼を刺すため、多少の痛みを伴う場合がある
- 効果の実感には個人差がある
- 感染症のリスクがある(衛生管理が徹底された鍼灸院を選ぶことが重要)
鍼灸の施術の流れ
- 問診:現在の症状、過去の病歴、生活習慣などを詳しく聞かれます。
- 診察:身体の状態をチェックし、適切なツボを判断します。
- 施術:鍼を刺入したり、お灸をすえます。 施術時間は症状や治療院によって異なりますが、30分~1時間程度が一般的です。
- アフターケア:施術後の注意点や日常生活でのアドバイスを受けます。
鍼灸の費用相場
鍼灸の費用は、保険適用となる場合と、自費診療となる場合があります。健康保険が適用される場合は、初診料と施術料を合わせて1,000円~3,000円程度が相場です。自費診療の場合は、治療院や施術内容によって異なりますが、3,000円~10,000円程度が相場です。
公益社団法人 東京都鍼灸師会 鍼灸ってどんな治療? 費用は?
項目 | 費用相場 |
---|---|
初診料 | 1,000円~3,000円 |
施術料(保険適用) | 1,000円~2,000円 |
施術料(自費診療) | 3,000円~10,000円 |
整体とは?

整体とは、筋肉や骨格のバランスを整え、身体の不調を改善する施術です。手技を用いて身体の歪みを矯正し、血液やリンパの流れを促進することで、自然治癒力を高めることを目的としています。マッサージのように直接患部にアプローチするだけでなく、身体全体のバランスを考慮した施術が特徴です。整体は民間療法であり、国家資格ではありませんが、様々な流派や技術が存在します。
整体の効果
整体は、腰痛をはじめ、肩こり、頭痛、膝痛など、様々な身体の不調に効果が期待できます。具体的には、以下のような効果が挙げられます。
- 筋肉の緊張緩和:凝り固まった筋肉をほぐし、血行を促進することで、痛みやコリを軽減します。
- 骨格の歪み矯正:歪んだ骨格を正しい位置に戻すことで、姿勢改善や身体のバランス調整に繋がります。
- 神経系の調整:自律神経のバランスを整え、リラックス効果を高めます。
- 血行促進:血行が良くなることで、老廃物の排出が促進され、新陳代謝が活発になります。
- 免疫力向上:身体の機能が正常に働くことで、免疫力が高まり、病気になりにくい身体づくりをサポートします。
整体のメリット・デメリット
整体を受ける際のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
薬や手術に頼らない自然療法である身体への負担が少ないリラックス効果が高い幅広い症状に対応できる | 即効性がない場合がある施術者によって技術に差がある健康保険が適用されない |
整体の施術の流れ
- カウンセリング:現在の症状や既往歴、生活習慣などを詳しく聞き取ります。
- 検査:姿勢や身体の動き、筋肉の状態などをチェックします。
- 施術:手技を用いて、筋肉や骨格の調整を行います。施術内容は、症状や身体の状態に合わせて異なります。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるストレッチなどのアドバイスを受けます。
整体の費用相場
整体の費用相場は、施術院や施術内容によって異なりますが、一般的には1回あたり5,000円~10,000円程度が相場です。整体院開業|開業資金・費用相場などを参考にすると、より詳細な情報が得られます。
鍼灸と整体、腰痛への効果の違いを徹底比較!

腰痛でお悩みの方は、「鍼灸と整体、一体どちらが自分に合っているのか?」と迷われるかもしれません。そこで本章では、鍼灸と整体の効果の違い、それぞれに向いている腰痛の種類、メリット・デメリットを徹底比較し、最適な施術選びをサポートします。
鍼灸と整体、どっちが腰痛に効く?
「鍼灸と整体、結局どっちが腰痛に効くの?」という疑問に、一言で答えるのは難しいかもしれません。なぜなら、腰痛の原因や症状、そして個人の体質や状態によって、効果的な施術は異なるからです。
一般的に、鍼灸はツボや筋膜を刺激することで身体の内部から調子を整え、自己治癒力を高める効果が期待されます。一方、整体は骨格や筋肉の歪みを調整し、身体の構造的な問題を改善することで痛みを緩和するアプローチです。
しかし、慢性化した腰痛に関しては、話が少し変わってきます。慢性腰痛の多くは、精神・心理的ストレスや中枢性感作(central sensitization)と呼ばれる神経の過敏状態が関与しており、痛みを抑制する脳や脊髄の機能(痛みのブレーキ)がうまく働かなくなっています。
鍼灸には、この中枢性感作を抑える作用があり、特に下降性疼痛抑制系と呼ばれる仕組みを活性化させることで、セロトニンやノルアドレナリンの働きを通じて痛みの感覚を調整します。また、末梢性感作(peripheral sensitization)といって、皮膚や筋肉に存在する一次ニューロンが過敏になり、ちょっとした刺激でも強く痛みを感じてしまう現象も、鍼灸によって緩和されることがわかっています。
このように、鍼灸は単なる「痛い場所」だけでなく、末梢神経や中枢神経レベルに働きかけることができるため、慢性腰痛のように複雑な要因が絡むケースでは、整体よりも鍼灸のほうが適している場合も少なくありません。つまり、「どちらが良いか」ではなく、「どのような腰痛か」「どの段階の腰痛か」によって選ぶべき施術が異なります。慢性化していてなかなか改善しない腰痛でお悩みの方は、神経メカニズムにも働きかける鍼灸をぜひ一度検討してみてください。
鍼灸が向いている腰痛
鍼灸は、急性・慢性を問わずさまざまなタイプの腰痛に対応できる柔軟な施術法です。特に、痛みの原因が筋肉のこわばり、血行不良、自律神経の乱れ、冷えなど身体機能のバランスに起因している場合に、その真価を発揮します。
たとえば、ぎっくり腰のような急性の強い痛みでは、炎症を抑えるとともに、局所の血流を改善することで回復を促進する効果が期待できます。一方で、原因のはっきりしない慢性的な腰痛に対しても、鍼灸は有効です。こうした腰痛は、筋肉や関節の問題だけでなく、神経の過敏化(末梢感作・中枢感作)やストレスによる自律神経の乱れなど、複数の要因が重なっているケースが少なくありません。
鍼灸は、こうした複雑なメカニズムに対して、身体の内部環境を整えるアプローチが可能です。具体的には、痛みを抑える神経系の働きを活性化し、過敏になった末梢神経の反応を和らげるなど、神経レベルの調整も行える点が特徴です。
また、薬を使わずに自己治癒力を引き出す方法としても注目されており、内臓やホルモン、自律神経のバランスも含めた全体的な体調管理にも寄与します。
このように鍼灸は、単なる「痛みの緩和」だけでなく、「腰痛の背景にある体の不調全体を整える」という視点からも非常に有用な選択肢となります。とくに以下のような腰痛に悩まれている方におすすめです。
鍼灸が効果的な腰痛の種類
腰痛の種類 | 症状の特徴 |
---|---|
ぎっくり腰 | 急に激しい痛みが走る |
慢性腰痛 | 長期間にわたって鈍い痛みが続く |
坐骨神経痛 | お尻から足にかけて痛みやしびれがある |
整体が向いている腰痛
整体は、骨盤の歪みや姿勢不良、猫背などが原因で起こる腰痛に効果的です。具体的には、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などに適しています。整体は、身体の構造的な問題を改善することで、痛みの根本原因にアプローチします。また、筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を広げる効果も期待できます。
公益社団法人 日本整体師連合会「整体とは」
整体が効果的な腰痛の種類
腰痛の種類 | 症状の特徴 |
---|---|
腰椎椎間板ヘルニア | 腰や足に痛みやしびれがある |
脊柱管狭窄症 | 歩行時に痛みやしびれが出る |
腰椎すべり症 | 腰に痛みがあり、前かがみになると楽になる |
鍼灸と整体は、それぞれ得意とする腰痛の種類が異なるため、ご自身の症状に合った施術を選ぶことが重要です。どちらの施術が良いか迷った場合は、専門家に相談してみるのも良いでしょう。
腰痛改善のための鍼灸院・整体院の選び方
腰痛でお悩みの方は、鍼灸院や整体院選びに迷ってしまうかもしれません。自分に合った最適な治療院を見つけるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。適切な治療院を選ぶことで、腰痛改善への道のりはよりスムーズになります。
良い鍼灸院・整体院の特徴
信頼できる鍼灸院・整体院には、施術技術だけでなく、患者に寄り添う姿勢や丁寧な対応など、いくつかの共通した特徴があります。以下のポイントを参考に、自分に合った治療院を見つけましょう。
■ 丁寧なカウンセリングと治療目標の設定
初診時に、現在の症状だけでなく、生活習慣や過去の病歴まで丁寧にヒアリングし、一人ひとりに合わせた治療目標を設定してくれる院は信頼できます。施術内容や通院ペースについても、患者が納得できるよう分かりやすく説明してくれることが大切です。
■ 効果が出ないときの柔軟な対応
すべての施術に即効性があるわけではありませんが、効果が出にくい場合に「時間が経てばよくなります」とだけ説明して漫然と通わせようとする院には注意が必要です。信頼できる治療院は、施術結果をしっかり評価し、必要であれば別の施術法の提案や、他の医療機関への紹介など柔軟に対応してくれます。
■ セルフケアの指導
良い治療院は、施術だけで終わらず、自宅でできるストレッチや姿勢改善、生活習慣のアドバイスなどのセルフケアをしっかり教えてくれます。これにより、治療効果の持続や再発予防にもつながります。
■ 良心的な料金説明と無理のない提案
信頼できる治療院は、施術の費用や回数について事前にしっかり説明し、患者が納得したうえで通えるよう配慮してくれます。反対に、高額な回数券を強引に勧めてくる院や、不安をあおって長期契約を迫るような対応がある場合は注意が必要です。
口コミや評判をチェック!
インターネット上の口コミや評判は、治療院選びの貴重な情報源となります。Googleマップや口コミサイトなどを活用し、実際に施術を受けた方の意見を参考にしましょう。ただし、口コミはあくまでも個人の感想であるため、参考程度にとどめ、最終的には自分の目で確かめることが重要です。
院の雰囲気や施術者の対応も大切
治療院の雰囲気や施術者の対応も、治療効果に影響を与える重要な要素です。リラックスできる雰囲気かどうか、施術者の説明は分かりやすいか、質問しやすい雰囲気かどうかなど、実際に足を運んで確認してみましょう。
項目 | 確認すべき点 |
---|---|
院の雰囲気 | 清潔感、静かさ、リラックスできる空間かどうか |
施術者の対応 | 丁寧な説明、親身な対応、質問しやすい雰囲気 |
アクセス | 自宅や職場からの通いやすさ、駐車場の有無 |
営業時間 | 自分のライフスタイルに合った営業時間かどうか |
これらのポイントを踏まえ、複数の治療院を比較検討することで、自分に最適な鍼灸院・整体院を見つけることができるでしょう。腰痛改善に向けて、信頼できるパートナーを見つけ、共に歩んでいきましょう。焦らずじっくりと時間をかけて、最適な治療院を見つけることが、腰痛からの解放への第一歩です。
腰痛時の鍼灸・整体に関するよくある質問

腰痛に悩まされている方にとって、鍼灸や整体は効果的な選択肢となり得ますが、施術を受ける前に様々な疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
鍼灸は痛い?
鍼灸治療で使用する鍼は、髪の毛ほどの非常に細いものです。注射針とは異なり、刺す際に痛みはほとんど感じません。人によっては、鍼を刺入した際に「ひびき」と呼ばれるズーンとした感覚や、軽い痛みを感じることもありますが、我慢できないほどの痛みではありません。 また、施術者は痛みの少ない刺し方や、患者さんの状態に合わせた適切な刺激量を調整しますのでご安心ください。
不安な場合は、施術前に相談するようにしましょう。公益社団法人 日本鍼灸師会
整体はボキボキされる?
整体には様々な種類があり、ボキボキと音を鳴らす矯正を行うものもあれば、そうでないものもあります。音を鳴らす施術は、関節の可動域を広げる効果がありますが、患者さんによっては恐怖心や不安を感じる方もいるため、必ずしも全ての方に適しているとは限りません。 最近では、ソフトな施術で筋肉や筋膜の調整を行う整体も増えてきています。施術を受ける前に、どのような施術を行うのか、しっかりと確認することが大切です。整体院によっては、ホームページや電話で問い合わせることで、施術内容について詳しく説明してくれるでしょう。一般社団法人 日本整体師連合会
施術頻度はどれくらい?
鍼灸や整体の施術頻度は、症状の程度や施術内容、個人差によって異なります。急性期の腰痛の場合は、集中的に施術を行う必要があるため、最初の1~2週間は週に2~3回程度の頻度で通院することが推奨される場合もあります。 症状が落ち着いてきたら、週に1回、2週間に1回と徐々に間隔を空けていくのが一般的です。慢性的な腰痛の場合は、月に1~2回程度のメンテナンスとして施術を受ける方もいます。施術を受ける際には、施術者と相談しながら適切な頻度を決めていきましょう。
施術時間はどれくらい?
施術時間は、症状や施術内容によって異なりますが、鍼灸の場合は30分~1時間程度、整体の場合は30分~45分程度が目安となります。 初診の場合は、問診や検査に時間を要するため、施術時間に加えて30分程度の時間をみておくことをおすすめします。施術を受ける前に、施術時間について確認しておくと、スケジュールを調整しやすくなります。
鍼灸と整体、保険は適用される?
鍼灸治療は、医師の同意があれば、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症 の場合に健康保険が適用されます。 整体は、原則として健康保険は適用されません。 ただし、骨折や脱臼などの施術を行う接骨院では、健康保険が適用される場合があります。施術を受ける前に、保険適用について確認しておきましょう。厚生労働省 保険局 医療保険課
どんな服装で行けばいい?
鍼灸や整体を受ける際の服装は、動きやすく、リラックスできる服装がおすすめです。 施術部位にアクセスしやすい服装が望ましいです。ジーンズやスカートなど、施術の妨げになる服装は避けましょう。施術院によっては、着替えを用意している場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
妊娠中は施術を受けられる?
妊娠中は、ホルモンバランスの変化やお腹の大きさによる身体への負担から、腰痛に悩まされる方が多くいらっしゃいます。鍼灸や整体は、妊娠中の腰痛にも効果的ですが、施術を受ける際には、妊娠中であることを必ず施術者に伝えましょう。 妊娠中は、刺激の強い施術や、お腹に圧迫を加える施術は避ける必要があります。施術院によっては、マタニティ専用の施術コースを用意している場合もありますので、事前に確認することをおすすめします。
副作用はある?
鍼灸や整体は、適切な施術を行えば、副作用はほとんどありません。 しかし、まれに、施術後にだるさや眠気、筋肉痛のような症状が現れることがあります。これらの症状は、身体が施術に反応しているために起こるもので、通常は数日で治まります。もし、症状が長引いたり、強い痛みを感じる場合は、すぐに施術者に相談しましょう。
費用はどれくらいかかる?
施術 | 費用相場 |
---|---|
鍼灸(保険適用外) | 4,000円~8,000円 |
鍼灸(保険適用) | 初診:1,500円~3,000円 再診:700円~1,500円 |
整体 | 5,000円~10,000円 |
※費用は施術院や地域によって異なります。
まとめ
腰痛で悩んでいる方の中には、「鍼灸と整体、どちらを選べばよいのか?」と迷う方も多いでしょう。本記事では、それぞれの施術の特徴やアプローチの違いを解説し、特に慢性腰痛における鍼灸の優位性についても触れてきました。
鍼灸は、ツボや筋膜を刺激することで体の内側から不調を整え、自己治癒力を高める施術です。特に、神経の過敏化(末梢感作・中枢感作)やストレスによる自律神経の乱れが関与する慢性腰痛に対しては、神経系に働きかけることで痛みを和らげる効果が期待できます。急性腰痛に対しても、炎症を抑えて早期回復を促す力があります。
一方、整体は、骨格の歪みや姿勢の崩れを調整することで、身体の構造的な問題を解決し、筋肉や関節への負担を軽減するアプローチです。特に、腰椎椎間板ヘルニアや姿勢不良に起因する腰痛には効果的とされています。
どちらの施術がより効果的かは、腰痛の発症要因や現在の状態、体質や生活習慣によって異なります。「どちらか一方」ではなく、自分の症状に合わせて「適切な施術を選ぶこと」が腰痛改善への最短ルートです。ぜひ本記事を参考に、ご自身の状態に合った信頼できる鍼灸院・整体院を見つけ、日常生活をより快適に過ごせる身体づくりにお役立てください。