はじめに
飛蚊症は「目の前に黒い点や糸くずのような影が飛んで見える」症状で、加齢やストレス、眼精疲労などが関係すると言われています。今回は、**飛蚊症による眼精疲労で来院された40代男性(ケアマネージャー)**の症例をご紹介します。
患者プロフィール
- 年齢・性別:40代男性
- 職業:ケアマネージャー(夜勤・日勤のシフト勤務あり)
- 主訴:左目に黒いモヤや線が見える。特に空を見た時や壁を見ると気になる。
- 随伴症状:首〜肩のこり、側頭部の頭痛、睡眠の乱れ
治療経過
初期(1回目:6/7)
- 左目の黒いモヤ・線が気になる。肩こり・頭痛を伴う。
- 眼精疲労と首肩の緊張を緩和する方針で施術開始。
中期(2〜5回目:6/14〜7/4)
- 目の症状は大きな変化は見られないが、**「気になる頻度が少し減った」**との実感あり。
- 一時的に強く症状が出る日もあり、疲労や夜勤による生活リズムの影響が大きいことが分かる。
- 肩の重だるさは軽減。
改善期(6〜7回目:7/15〜7/25)
- 初診時と比べて「少し落ち着いている」と実感。
- 体調不良や夜勤で一時的に悪化することもあるが、症状の波が自覚できるようになり、回復も早まってきた。
後期(8〜9回目:8/7〜8/21)
- 「黒いモヤが減ってきた」「2〜3日は良い状態が続く」との変化。
- 睡眠も改善し、夜中の中途覚醒が減少。
- 夜勤が続くと再び症状が出やすいが、施術後は安定しやすい傾向が見られる。
患者さんの声
「10年以上前から飛蚊症があって、正直もう慣れるしかないと思っていました。
でも、鍼を続けてから黒いモヤが気にならない日が増えて、肩こりや頭痛も楽になってきました。
夜勤で乱れた体調も少しずつ整ってきて、今は“前より生活がしやすい”と感じています。」
考察
この症例では、飛蚊症そのものを完全に無くすのではなく、眼精疲労・首肩のこり・自律神経の乱れを整えることを目的に施術を継続しました。
結果として、症状が増悪する時期もありましたが、継続的に治療を行うことで
- 黒いモヤの減少
- 首肩のこりの改善
- 睡眠の安定
といった効果が得られました。

まとめ
- 飛蚊症は眼科的に異常がなくても、日常生活で強く気になるケースがある。
- 鍼灸は「目の症状そのもの」だけでなく、首肩のこりや睡眠の乱れを整えることで症状を和らげるサポートになる。
- 継続治療により、少しずつ「気にならない時間」が増えていく可能性がある。